私ったら他の人よりほんの少しだけ口が悪いところがあるから、もしかしたらそのせいかもしれない。



その割に、早川や川端さんなんていうウザい人間ばかりに付きまとわれるから、私って前世は魔獣使いだったのかななんて思ってたり思ってなかったり。



警戒心丸出しのまま翔くんを見詰めていれば、彼はふいっとこちらから顔を逸らした。



……こ、これは……!




「……別に、ただ気になっただけだけど」


「……ふーん」




怪しすぎる。まさかなとは思うけど。


けど深く追及して、下手に告られでもしたらフるのもめんどくさいし、放っておこう。



ちらりと川端さんを見れば、バカだからか何も異変に気付いていないようだった。


まだ具合が悪そう。そのまま1週間ぐらい体調不良で学校休めばいいのに。



メニューに伸ばしかけた手は、結局それを掴むことなくコーラを持ち上げ、ズズッと残りを喉に通す。



ぼんやりと、翔くんと付き合ったらどうなるのかな、なんて考えてみるけどあんまりに想像がつかなくてちょっと笑えた。



これこそ杞憂な妄想ってやつだろう。