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「だから何度言えば分かるの!? あーちんのイライラの原因はきらりでも思春期のせいでもないよ!」




私がぶちまけてやろうとしたお弁当箱を死守しながら、川端さんはヒステリックに叫ぶ。




「……いや今のはきらりが悪い」


「えええええ、翔ちゃんひどくない!?」




どこをどう見たら私の食事風景を盗撮していた川端さんが悪者じゃなくなるんだ。



彼女にぽかぽか腕を叩かれる翔くんは、うんざりした表情で溜息を吐いた。


その薄い唇が、どうして俺まで、と呟いたのを私は見逃さなかった。



そんなの、お昼休みに川端さんと二人きりでいるのが耐えられないからに決まっているじゃないか。


いやだなまったく翔くんたら分かってるくせに。




「もうあーちん、いい加減イズミールと仲直りしてよぉ、あーちんに八つ当たりされてるのはきらりなんだからね!?」


「……いや今のはどう考えても早川関係ないよね?」


「い、いひゃいいひゃいっ」




ここ最近、自分の行動の責任を全部早川に押し付けようとしている節がある川端さんのほっぺたを力いっぱいつねりながら眉を顰めた。