確実に体温が上昇してきたのが分かって、顔に出ないようにふーっと大きく息を吐く。


いつの間にか教室は目の前で、落ち込んでいる様子の早川を振り返ってまた睨みつけた。




「とにかく」


「うん」


「私はあんたと付き合わない。いい加減諦めて」




言い捨てて、1カ月ぶりに自分の席につく。



――この休みの間。実はちょっとだけ本気で考えてみたりもした。


早川の言う通り、真面目に付き合うこと。



その結果、行き着いた答えは“やっぱり無理”で、早川とそういう関係になった自分を想像することはできなかった。


つまりやっぱり、有り得ない。恋愛なんか私には向かない。



若干間を開けて教室に入ってきた早川は、無言のまま私の隣の席に座った。


……そんなあからさまに傷ついた顔されると、悪いことしたって気分になるじゃん。


いや私は悪くないはず。



落ち着かない気分のまま、その日の午前は避けて避けて避けて避けまくった。早川のこと。