だけど言えば言うほど、なんとなく立ち止まる人が増えて、明らかに目立っている。
早川なんかは他人事のように横で大爆笑しているからマジで殺意が沸いた。
「――分かった、分かったから、お願いだから黙って!」
「……コーヒーカップ」
「えっ!?」
「……美織と乗ってくれるの?」
「乗っ……るわ……けな……、……いや、乗るから! 乗る!」
もうどうすれと! ふざけんなマジでこのガキ……!
半ばヤケクソで叫べば、美織は絶え間なく叫んでいた声をぴたりと止めて、上げた顔にはニーっと勝ち誇ったような笑みが浮かんでいる。
やっぱり嘘泣きかよ。ここが人前じゃなかったり、相手が子どもじゃなかったら軽く数発は殴ってた。
「さすがフジシマ、話が分かる」
そう言って私から離れた美織に、コーヒーカップだけでなく丸一時間園内を連れ回されたことは、最悪な思い出として私の記憶から一生消えないことだろう。

