偏食系男子のススメ【完】






「行こう早川」


「待っ、……美織も行く!」


「付いてこなくていい」


「し、小学生が一人でいたら乗り物乗せてもらえないよお!」




……はーん、なるほどねえ。


そういうわけで、一人でいた私に美織を連れて歩く保護者の役割させようとして声かけてきたのね。思い通りになんかなってやらない。


じゃあ親元にさっさと戻れって感じである。



無駄に歩いたせいでお腹も空いてきた。そろそろ屋台の行列もはける頃だろうから、ちょうどいい。お昼ごはんにしよう。


子どもを気にしたまんまの早川の腕を無理矢理に引っ張って、来た道を引き返す。




「……いーの、藤島。あの子一人で置いて来て……」


「逆に悪い理由あった? 迷子じゃないなら私たちが面倒見る必要ない。っていうか仮に迷子だったとしても面倒見る義務はなかった」


「……ふ、藤島サン、か、かなり怒ってる……? ネ……?」


「どこが?」




鼻で笑った瞬間、今度は服の裾を思い切り後ろに引かれて、足がもつれて軽くよろけた。



――あっ……ぶないな! もう少しでこけるとこだった、転ぶとこだった……!



驚いて振り返れば、なんとなく予想はしていたけれど、私よりかなり低い位置に立つ美織が、泣きそうにこっちを見上げていた。