「……で、どういうこと?」
「こういうこと」
得意げに背負っていたリュックを地面に下ろした彼女は、何やらガサゴソ中を漁ると、その小さな手に握り取ったものを私に掲げて見せてくる。
「……ケータイ」
「そう、だから大丈夫なの、美織の無事はちゃーんとママに伝えてあるから。今は自由タイムなのっ」
なんだコイツ。馬鹿らしすぎて怒る気にもならん。
そりゃあそうだ、こんなにふてぶてしい態度の迷子なんかはいるはずがなかったんだ。まんまと騙された。
つまり、一人になりたくて自分から親の元を離れてきたってこと?
いるよね、そういう冒険気分で親を困らせるクソガキ。勘違い野郎って。ここまで付き合ってきてしまった私がアホらしい。
「ちゃーんとメールで心配しないでって伝えたし、美織がフジシマたちと遊んでてもヘーキだよ!」
「私が御免だ、ガキのお守なんて。親といるのが嫌なら一人で遊べばいい」
親も親! いくらケータイ持たせて安心だからって、まだ小学校に上がったばっかの子どもをよく放置できる。常識ないんじゃないの。つーかケータイなんか持たせんな!

