「――だ、だから、ママは美織の心配してない!」
「それはあんたが決めることじゃない」
「……やだ、ママは呼ばないでよっ」
「めちゃくちゃ言うな! 迷子だからどうにかしろって言ったのはあんた。私たちはあんたと遊ぶためにこうして一緒にいるわけじゃないの、分かる!?」
何言ってんだこの子どもは。
助けてくれとお願いしてきたのはそっちからだろう!
さっきと言ってること矛盾してない? いやしてないわけがない。絶対してる。親を呼ばないなら一体どうしろと。
支離滅裂な美織の言動にうんざりしていれば、少女はぎっと私を精一杯に睨んで、
「はーあ、……ほんっと、フジシマってなんも分かってなーい」
……その後に口の端を微かに上げ表情を変えた後、ムカつくことに鼻で笑った。
「……はあ?」
「美織が、こんな風にどーしてもって頼んでるのに、ムシするとかほんっとーにありえないんですけど!」
さっきの焦ったような様子はなく、むしろ落ち着いて私を非難してくる。なんだよこの豹変ぶりは。
割と本気で意味が分からない。さらにこっちが戸惑っているのをバカにするように笑うから、服の中に虫でも入って泣けばいいのに。

