私があっさり受け入れたことが意外だったのか、美織は訝しげに首を傾げた。
「でもその代わり早川と二人で乗って来て」
「……フジシマは?」
「その間に私は迷子センター行ってあんたの親を呼び出すから。無事見つかったらちゃんと親に私こそがあんたの命の恩人だって誇張気味に報告して是非金一封を、」
「さすが藤島賢い!」
いちいち褒めなくていい。つーかまだ話は終わってない、邪魔すんな。
……ま、いっか。
何故か自分が得意げになって声を弾ませた早川の方に視線は向けずに、迷子センターの方へ再び爪先を向ける。
「フジシマっ!」
「……」
「だからフジシマってば!」
なんだよまだ文句あるのか! せっかく人が思いついてやった妙案にケチをつけようとはいい度胸じゃない。
上ずった声で私を呼ぶ美織を振り返れば、焦ったような、悔しそうな、怒ったような、そんなどれとも受け取りがたい表情を浮かべていた。
うわなにその顔不細工だな。
「……ほら、さっさと乗ってきなさいよ、ただし1回だけね。終わったらすぐ迷子センター来て」
「……てない」
「は?」
ぼそりと俯いて呟いた美織に眉を顰めて訊き返す。

