「名前は? なんつーの?」
「……美織(ミオリ)」
「美織なー。小学何年?」
「……1年」
「マジで? 若っ! ていうか最近の小学生って大人びてんな!」
「ハヤカワが子どもっぽい、ていうだけだと思う」
「えっ、何それ! 俺なんかめちゃくちゃ紳士オーラ出てるじゃん」
小学生に若いもクソもあるか。
背後で繰り広げられている会話を聞きながら、子どもなんかと話の合う早川ってさすがだなと思う。
言うまでもなく精神年齢が近いんだろう。あはは可哀そう。鼻で笑っちゃうぜ。
そして結局、早川のフランクフルトは丸々子ども……もとい美織が貰って平らげてた。遠慮のない子どもだ。
さっさと迷子センターまで連れてって、さっさと係員に任せて置いてさっさと帰ろう。
「――あ、待って!」
――と、思ったそばから、突然後ろから腕を引かれた。
「……なに? あとちょっとで着くけど?」
そんな調子で歩いているうちに、メリーゴーランドの屋根の部分がここからでももう見えている。
眉を顰めて振り返れば、少し焦った様子の美織がわざとらしく、メリーゴーランドとは逆の方向にあるコーヒーカップを指さした。

