偏食系男子のススメ【完】





そんなことを真顔のまま思いながら、私は相変わらずフランクフルトに齧りつく。


思ったより美味しい。イケるわこれ。




「名前は? お母さんはどうした?」


「……迷子」


「ん?」


「だから迷子になったの! どーにかしてよっ」


「迷子!?」




ふんっと鼻息荒く言い切った女の子は、睨みつけるように早川を見る。


うえ、なんだそのふてぶてしい態度。迷子感皆無じゃないの。っていうか迷子だったのか。


迷子のくせに何でそんな偉そうなんだよ。それならそうと早く言えばよかったのに。


堂々としている子どもとは裏腹に、途端に慌てだす早川になんか笑えたけど。




「迷子? マジか、あれ、どうすればいいんだろう藤島!?」


「迷子センター連れて行けばいいんじゃないの」


「あ、そっか。どこにあるんだっけかな!」




ブツブツ言いながら、早川は入場の際に持ってきた園内の地図を広げ始める。


ちらりと子どもを見下ろせば、またばっちり目が合ってなんか面倒くさい。このフランクフルトはやるもんか。早川にもらえ。