「……えーっと、それって何に対してのお礼?」
「……だから、色々だ、イロイロ!」
「……いつも好きでいてくれてありがとうってこと?」
「そんなわけないよねえ? どうしたら私が迷惑がってるの分かってくれるのかなあんたは!?」
もういっそその口に濡れた靴下でも突っ込んでやりたい。ただし川端さんの。
人が折角真面目に話をしようとしてるところでふざけられるのって本当に腹立たしい。
……むしろわざとやってる?
私に感謝されても困るってこと? それなら最初から優しくなんかしてこないでほしい。頼んでないし。
ジト目で早川を見ていれば、
「ごめん嘘嘘、冗談!」
私の険悪な内心を悟ったらしい彼は、へらっと笑って誤魔化した。
どうせ謝るなら最初から言うなって感じだけど、それも今更って感じか。
早川はきっと一生こうなのだ。諦めた方が楽で良い。
「言われなくても分かってるって、昨日川端の仕事手伝ったことだろ?」
……本当は、それだけじゃないけど。
大人しく頷けば、彼は嬉しそうに笑った。

