ニヤニヤしながら言うそいつを睨みつけて、ああーっと心の中で悲鳴を上げた。
……もうやだ。教室戻ろう。鞄はあとで返せばいいか。
川端さんのことだから、どうせすぐに私のクラスにやってくるに違いない。下手すればもう来てるかもしれない。
思って、階段を下って行くけれど早川はついてくる。
「……なに? 実行委員の仕事があったんじゃないの?」
「もう終わったから今からは教室手伝う!」
「教室だってもうほぼ片付け済んでる」
「マジで? じゃあ藤島といる」
「なんでそうなるわけ、死ね!」
――早川の言うことって、どこまで冗談でどこから本気なのかよく分からん。
一緒にいればいるほど、分からなくなる。
……川端さんと仲直りできたのは、こいつのおかげだってことは、分かるけど。
早川が背中を押してくれたおかげで、色々上手くいったんだ。そういえば。
――私、お礼言ってたっけ?
ふと気付いて、ぴたりと足を止めた。
ここ数日で作った様々な借りを思い浮かべて、軽く舌打ちを鳴らす。

