「っか、返してよ……っ」
「いやあんたらのじゃないだろ」
まあ私のでもないけど。
血眼で私が肩にかけた鞄に手を伸ばして来る二人をかわし、階段の手すりに背中を預けた。
これだからバカは嫌い。
何をどう勘違いして自分を正当化したのだろう。
川端さんより自分の方が可愛いなんて、よくもまあ恥ずかしげもなく言えたものだ。
誰がどう見たってそうは見えない。間近で見ると凄いインパクトだ。勘弁して。
「――さて。私はあんたらがしたことって立派な盗みだと思ってるんだけど」
「……なっ」
「反論があるなら一人ずつお願いね」
にっこり首を傾げて微笑んであげれば、二人はどうするべきか決心がつかないのかお互い目配せして、私から一歩距離を取った。
……私が、自分以外の人間のために他人を怒っているなんて、なんか変な感じだ。今更だけど。
知らんぷりすることだって簡単にできたのに。

