……すでに帰りたくなってきた。
「……で、何の用ですか……」
びくびくとこちらの出方を窺っているのか、川端さんはややぶっきらぼうに問う。わー生意気。
……でも何の用、……そういえば何の用だろう。特に考えずにきてしまった。
ただ、元気そうなのが分かったし、……元はそれを教室に確かめに行っただけだから、もう用事は済んでいると思う。
「用事はない、帰る」
「ええっ、ないの!?」
「じゃ」
「まままま待って、ちょっと家に上がって行けば? ね? コーラあるよお!」
「……ちょっとなら」
外観が立派なこんなお家、中も見てみたいに決まってる。コーラに釣られたわけではなく。
ていうか川端さんはなんなんだろう。私のこと嫌いになったんじゃないの、わざわざ引きとめたりして。
……その意味の分からない誘いに、簡単に乗って家に上がった私自身も、意味が分からないけど。

