叔父は、音楽の切れ目にCDプレーヤー、これは
ソニーのカレント・パルスDC-ALL-FETプレーヤーだが
それのボリュームを絞った。
「よくきたね。座れば?」
軽い口調で、対等目線で話すこの叔父が深町は好きだった。
叔父自身、自由が好きだから、言葉づかいで上下を決めるのは
嫌いだ、と言っていた。
深町は、くつろいだ気分で窓際に座る。
板の間にジカに座ると、ひんやりとして爽快。
もう、夏なのだ。
窓越しに、水平線が見える。丸く。
左手には岬と山、カーブした稜線がそのまま
海に流れ降りるような感じ、自然の調和を思わせる。
叔父は、ボリュームを上げた。
"Days of wine and roses"が
部屋いっぱいに広がった。
Days of wine and roses...
人生には、酔わせてくれるものが必要だ、と言う曲だ。
深町はその曲の意味を、まだよく理解できない。
別に、耽溺しなくたって生きていけるさ、と
若々しい自負を見せながら、敢えて理解しようとしないようにも
見えるが
それは、青年らしい生きるエネルギーが、奔流のように
迸っている様、と言えよう。
「どうした。」叔父は、深町の浮かない顔を察すが
余計に干渉しない。その方が有り難いと信じているからだ。
「うん....。」深町は、叔父にこれまでの経緯を話す。



