乱華~羽をくれた君~Ⅲ【完】




「そうなんだっ…」




辺りを見渡しても優奈ちゃんらしき人はいなかった。





その時、ド―――――――ンと夜空に花火が上がった。





あ…。花火始まっちゃった。




でも陸さんは花火が始まった事にも気づいてないみたい。




ずっとスマホをいじっている。




すごい心配してるんだ。




だよね、私も心配だもん…







でも…




せっかく久々に二人っきりなのに。




せっかくの花火大会なのに。





陸さんの心の中には今、優奈ちゃんしかいないんだろうな…





そう思ったら、胸が熱くなって喉が痛くなった。




一緒にいるのは私だよ?




陸さん、今私の事…




ちゃんと見えてる?






ドーンドーンと、どんどん上がっていく花火に、周りから歓声があがった。




私だって笑顔で陸さんと花火を見たかった。




だけど、涙で花火がにじんで見えた。