本当に信じられない、あの適当やろう!


いくら面倒だったからってあんな仕事まで押し付けるか?


まったく、アイツのファンの女子もアイツの本性を知って幻滅すればいい


そんな性根の悪い事を考えながら私は迎えの車の場所へと向かっていた


あれこそが、やつの周りに隠している本来の性格である


表向きは勉強も運動もトップクラスの、非の打ち所のない生徒会長


それでいてルックスもなかなかなのだから、女子がほおって置く訳が無い


だが私は知っている、あんなやつに告白して無残にも散っていった子達を


小さい時から、いわゆる幼なじみであったわたし達は残念なことにお互いの本性を良く知っているし、そのくせ周りに対してどんな態度で接していたかもよく知っている


だからこそ、私にとってやつは一番の天敵であるのだ


幼い時からあのめんどくさがりやのくせに、人に意地悪をするのだけは大好きという本当に性格の悪いやつのせいで私が今まで何度散々な目にあってきたことか


今日のことも同じで、というか今日にいたってはあの柴咲にまで「お前、あんなやつと幼なじみとかよく耐えられたな」なんて同情される始末である


そんなことを考えながら、気づけば目的の場所へとたどり着いていた


しかし、確かにそこは私の目指していた場所ではあったのだか、いつもとは違う点があった


『あれ?まだ車来てない...』


今日はいつもより少し遅くなってしまったし、早かったなんてことがあるはずがない


『うーん、どうしようかな...?』


だがもしかしたら時間でも間違えているのかも、そう思いもう少しのあいだここで待つことにした