「なんか騒いでるみたいな声が聞こえたんだけど....澪」


『き、気のせいじゃないかな?ねぇ』


すかさず柴崎へとアイコンタクトを送る


「あ、ああ、ちょっと声がでかかっただけだって」


「ふーん、ならいいや」


すると彼はニッコリと笑って、会長席へと腰を下ろした


とりあえず誤魔化すことは出来たようだ、必死に笑いを堪えている日向が目に入るが、今は見逃しておいてやろう


そして今更すぎるほどだが、この生徒会のメンバーは、私の本当の性格を知っている


隠そうかとも思ったが、どうせいずれかボロが出るだろうし、本来の自分でいくことにした


柴咲のみかなり驚いていたが、ほかの反応は正直拍子抜けともいえるもので、日向にいたっては「あ、やっぱり〜」とまでいうのだ


しかし、このような秘密を持っているのは私だけではない


この生徒会のメンバーほとんどは、役員に選ばれるだけあって、普段の生活態度は驚くほどに優秀である


しかし、根からそんなやつなんでほとんどいない


ここにいる役員はみな、優等生という皮を被って学校生活を送っている


その方が人当たりもいいし、楽だから。そう考えるやつもいるが、大抵は自分の家の名に傷をつけないようにするためである


傍からみれば何不自由ないように思える者ほど、多くのものに縛られながら生きているものなのだ