「お嬢さま、お目覚めの時間ですよ」



使用人のいつもの声で目が覚めて、また私のいつも通りの1日が始まる



まだ覚め切れていない頭に、外からの鳥の声が響いてくる





ああ、また退屈な、偽物の私の1日が始まる










起こされて少したった後、すぐに学校の制服に身を包み
化粧台の前に立ち、手早く髪をとかしていく


幸い今日は特に酷い寝癖等もついておらず、いつもより比較的早くに準備が終わった


すぐさま下に降りていき、いつもの席で朝食をとる


手早く食事をとりながら、今日の一時間目の授業がなんだったかを考える



朝食を終えた後、鞄を部屋から持ってきてもらい、表に止めてある車に乗り込む





学校へと車が向かう中、ぼーっと外の景色を眺めていた



雲一つない、澄み渡った空のはるか向こうにはうっすらとひこうき雲が見える



あの飛行機は、いったいどこへ向かうのかな?



そんなことを考えていたら、車はいつの間にか学校へと着いていた



いつまで経っても降りようとしない私を、運転手が困った顔をして振り返る



「お嬢さま、どうかしましたか?」



すっと息を吸い、ゆっくりと吐き出す




『ごめんなさい、少しぼーっとしていました。』




いってきます、最後に笑顔でそう答えて車を降りる



ああ、今の私はいったいどんな顔をしているのかな?


そんなことを考えるだけで、ヘドが出そうになる