6月も終わりに近づいていた。

 今日は、おばあちゃんの

 70回目の誕生日だ。


 (今日は午前中は晴れますが、

 午後からはしだいに雲が増え、

 夕方頃から雨となるでしょう。)


 天気予報のおねえさんが言った。
 

 「おじいちゃん、学校終わったら

 すぐに帰ってくるからね。」


 「ちょっと待って。おまえに

 見せたいものがある。」


 そういうと、おじいちゃんは

 白い封筒を取り出した。

 
 「森に行ったらこれをばあさんに

 渡そうと思う。今まで言えなかった

 ことを書いたんじゃ。」


 「ふーん。いいじゃん。

 おばあちゃんも喜ぶよ。」