50年目のプレゼント

 森に着くと

 自転車を放り出して

 おじいちゃんの元へ走った。


 中からトボトボ歩いてくる

 おじいちゃんを見つけて

 急いで駆け寄った。


 「どうしたんじゃ?

 待っとったのに。」

 
 おじいちゃんの顔を見たら

 涙がジワっと溢れた。

 
 声が詰まった。

 「おばあちゃんが帰ってこなくって、

 そしたら外で苦しそうにしてて・・」


 伝えたい気持ちばかりが先走った。


 「今ね、病院にいる。危険な状態だって。」


 それだけ言うとおじいちゃんを

 自転車の後ろに乗せた。