50年目のプレゼント

 救急車はすぐにきた。

 私は初めて救急車に乗った。

 
 救急車の中でおばあちゃんは

 酸素マスクをつけられた。

 それでも、くるしいと

 繰り返していた。


 おばあちゃんのすがるような瞳が

 私を見た。

 私は黙って見ていた。

 どう、声をかければいいのか

 わからない。


 こんなに苦しんでいる

 おばあちゃんをみても

 まさか死ぬなんて

 思わなかった。