とある魔法学校の事情

まだ若干赤みの残る顔の先生は言う。
「次は女子ね」

名簿的に私が最初だ。結構みんな趣味無いみたいだからきっと大丈夫だと心に言い聞かせる。

「わ、私は園原 奈々(そのはら なな)です。
趣味は特にありません。得意魔法は光。
よ、よろしくお願いします…。」

ついうっかり噛んでしまった。は、恥ずかしい…。でもまあこれできっといいはず…。失敗なんてしてないさ、きっと…。


千「私は、永村 千佳(ながむら ちか)です。
趣味…というか病院でバイトしてます。
得意魔法は治療。よろしくお願いします。」

おっとりしたピンク髪の女の子だ。

きっとそのうちこのクラスの治療係をすることになるんだろうなぁ、この子は…とかしみじみ思いながら次を待つ。


志「あたし、浜野 志織(はまの しおり)!
趣味はイタズラ!得意魔法は雷!
よろしくね!」

金髪に近い髪色をしている。

見るからに元気そうで私の苦手そうなタイプだ。

趣味はイタズラってこの子要注意だ…。
大分力を隠すのにはなれてきたけど、咄嗟で力を使ってしまうかもしれない。

そしてこの子、さっきの葵って奴の彼女らしい。性格の相性は微妙な気もするけど…。魔法の相性だけ見れば抜群のはずだ。

どちらかが相手の実力に合わせたのだろう。なんだかそういうの少し羨ましいな…とも思う。