先生は真っ赤な顔でプリントを握りしめている。なんとも可愛らしい先生だ。

「じ、じゃあ皆、自己紹介してみよう?
えっと…名前と、趣味と、得意魔法で!」

うっ…で、出た…。私の苦手とする行事だ。
ここまで基本逃げ回ってばかりで趣味を作る暇がなかった私にとって難題だった。

「ま、まず男子から…どうぞ!」

「俺は東 蓮(あずま れん)だ…。
特にこれといった趣味はない。
得意魔法は浮遊。よろしく頼む。」

クールそうな銀髪の男の子だ。

こいつは色々勘づきそうだ。注意して接しよう。…注意してもきっとバレるんだろうけど。


「僕は岸本 悠(きしもと ゆう)。
家庭菜園が趣味だよ!
得意魔法は植物。よろしくね!」

無邪気な緑髪の男の子だ。

どうにもこうにも無邪気な奴はいつもよく勘づくから少し不安だ。こいつもよく注意して接しよう。


「僕は北島 葵(きたしま あおい)と言います。趣味は…特にありません。
得意魔法は水。
よろしくお願いしますね。」

おっとりとした水色の髪の男の子だ。

そういえば事前調査で知ったが、彼には彼女がいるらしい。

しかも、偶然にも同じクラスに。これは…本当にただの偶然なのだろうか?


海「俺は白石 海斗(しらいし かいと)!
趣味は燃やすこと!
得意魔法は火!よろしくな!」

暑苦しい赤髪のこいつは私の幼馴染みだ。
私と、もう一人、別の高校に行った子との三人組の幼馴染みのグループだ。

てゆーか、趣味は燃やすことってこいつ、ただのアホなんだろうか…。