「「…なんてことがあったなぁ。」」

いつの間にか、互いにソファに座ってあの日の事を談笑していた。

「もう泣き虫は卒業したのか?」

ララは意地悪そうな笑みを浮かべ、持参したであろう美味しそうな焼き菓子を頬張った。

「とっくに卒業したよ…」

自身の目が不自然に揺らぐ。

「へぇ〜。今朝、上り階段から落っこちて、その場に座り込んで泣いたんじゃなかったっけ?」

「…っ!!!」

鳴夜の顔が石のように固まる。

「なぜそれを…!」

ララはそれを見て満足し、意味ありげに笑う。

「誰かに聞かなくてもわかるんだよ。だって、俺は……」

突然、あの土砂降りの時の光景が目に浮かんだ。

『それはね。私が…』

微かに記憶から蘇るあの言葉。

「超能力者だから。」