由紀は怯える香苗を家へと送ると自分も家へと向かった。









母親は噂で舞の事を聞いたのか、娘を気遣って何も言わなかった。








疲弊している由紀にはそれが有り難かった。








由紀は部屋に入ると倒れ込むようにベッドに寝転んだ。









分からない…いったい…舞に何が…それにあのメールは…









その時、舞の頭の中を電流が駆け巡る。








「舞の…都市伝説…開くと絶対に死んじゃうメール…」








もし…これが本当なら…香苗が…!









由紀はガバッと起き上がると、凄まじい勢いで階段を降りた。









「由紀…?」








リビングから母親の怪訝に思う声が聞こえてきたが、今の由紀にとってはどうでも良かった。











香苗!香苗!








とっぷりと暮れた夜道を由紀は不安と焦りを抱えて走り抜けた。