「のんちゃんってなんでそんなに可愛いのぉ?」
「いやいや!雪子の方がダントツで可愛いし、美人だよ!!」

向こうから聞こえる甲高い女子の声。
そして、いつものやりとり。
毎日毎日、可愛いとか可愛いくないよとかの言い合い。

「りりん!ねっ!りりんー!」
りりんこと私、重森 凛。高校1年生です。
小学校からのあだ名がずっとりりんだった。
「なになに、どーしたのそんなに急いで?」
「あのね!あのっ、俳優の…」
そう話を続けるのは、凛の親友。相島 成美。
成美とは、小学校からずっと一緒。
必ず、凛のそばにいてくれてた。あの時も。
「りりん??」
こうして顔を傾けて聞いてくる仕草もグッとポイント。顔は童顔で挙句に背も低い。それがまた可愛い。口には出さないけど。