キャット


「ただいまー」

当然のごとく返事はかえってこない…

「ふぅ」

今日はいろいろあって疲れたな

チーン

私は静かに手を合わせて
仏壇に向かって話しかけた。

「拓也さん、海千華さん
私今日から南校に通うことにしました。
もうすぐでお二人がいなくなって
2年ですよ…早いですね

奏は元気ですよ。
あんなに小さかった奏が
もう喋るようになったんですよ?
子どもの成長って早いですね

…奏には二人のもとで成長してほしかっ たなぁ
あんなことがなければ奏はお二人のもと で大きくなれたのに…

拓也さんのことをお父さんって呼んで
海千華さんのことをお母さんって呼んで
そんな普通のことですらもう叶わないん ですね…」

どんなに話しかけても返事は返ってこない…