奥手少女

「ただいまー」
「唯おかえりー!」
リビングからお母さんの明るい声が
聞こえた。今の私とお母さんの温度差がちがいすぎる…

リビングに入ると弟とお母さんがいた。
今日の晩御飯は…豚カツ。
入試に勝つぞー!なんて。お母さんのダジャレから豚カツになったんだろう。
それがお母さんの優しさだと思うけど…
「ついに明日入試ねー
さっ!豚カツ食べて入試に勝とうね!」
「母さん、そういうダジャレで
晩御飯決めるのやめようぜ。」
私も弟に1票。
「え〜。じゃあ、海がつくってくれる?」
海とは私の弟(かわとうかい)だ。
「あー、それは無理。
それならダジャレの方がいい。」
「ほらほらー。唯は?ダジャレでもいいわよね?」
「そういう事にしといてあげる」