「いいなぁ…」


ボソッとつぶやいた亜子の声が聞こえた。


亜子が握りしめている髪をみると、"3"と書いていた。


さん…?


3って…、あっ。



教卓の目の前の席だ。


うわぁ。


どうりで落ち込んでるわけだ。


「亜子…、しょーがないよ。くじ運だし…」


「なんで…、なんで亜子よりくじ運悪い美月が亜子よりずっと良い席なの…?なんで…っ」


それもそうだね。


珍しく、くじ運が良かったのかな。