「…塚井」
「…あ」
「今日、ごめんな。先帰っちゃって」
「い、いいよっ!…それから…もう…一緒に行くの、やめよう?」
「…え?」
「わ…私、学校までの道、もう完璧だし…、前川くんだって、私と登校なんて、迷惑でしょ?ほら…一緒に…行く…理由もない…。だから…」
私はそこまで言って、口をつぐんだ。
今にも涙が出てきそうだったから。
ずっとそばにあったものを手放そうとするのは、こんなにもつらいんだって…
初めて知ったよ…。
ずっと隣にいてくれた、キミ。
だけどそれは、彼が親切だったから。
私が転校生であったから。
だけど…これ以上は…。

