「この雨っていつから降り始めたっけ?」


樹は私の隣から離れ、部屋の真ん中に置いてあるアンティ―ク調の椅子に腰を掛け口を開いた。


「ちょうど今から一か月前の三月ごろからじゃなかったでしたっけ。」



私は顔をあげ、後ろを振り返り彼を見た。
彼は椅子に浅く腰掛け姿勢をきちんとただし、そこに座っていた。

彼の性格がそんなところに出ているような気がした。