急に降ってきたその雨は、とろい私一人濡らすのには十分だった。




隣を見ると同じように濡れた男子が。


ただ私と違いあまり濡れておらず、少し濡れた髪を彼はワシャワシャと揺らした。
その水しぶきが彼の頬を伝う。

制服はたぶんうちの学校のものだったが見ない顔だったので私はとりあえず彼にため口で話しかけた。
フレンドリーすぎるよ明紀は。
という言葉は褒め言葉としていつも受け取っている。



「たぶんこれしばらく止まないんじゃないっすか?」


水の滴る髪をウザったそうにかきあげつつ彼は言った。

私の眼は見ようとしない。

敬語で話してきたところを見て後輩かぁと思いつつそいつを見る。
自分より背の高いことに少し傷つきつつ私は口を開く。