残されたわたしは、ただぽつんとすわっていた。

雨音はなり続け止む様子を見せない。
その雨音は、静かな部屋によく響いていた。



そういえば



と、窓越しに雨を見ながら数年前のことを思い出す。

樹にはまだ話していなかっただろうか。
私が雨を嫌いになった理由を。



私はわずかな抵抗として自分の部屋に行かず、ここにいることにした。





部屋には雨音が響き続けていた。