「室内でうじうじやってるよりいいと思うんですよねぇ、出かけたほうが。」
そういうとつけていた顔をテーブルから離し、頬杖をして私と目線を合わせた。

そしてニッコリと笑顔。

その天使スマイルにほだされる前に私は勢いよくその場に立ち上がった。

椅子がガタっと後ろに下がるがそんなの気にしない。

「やだね。じめじめの雨の中歩いて何が楽しいのよ!」

立ち上がった私に全く驚くことなく樹は微笑んだまま続けた。

「いいじゃないすか、この前おススメのカフェ見つけたって言いましたよね、そこいきましょう! なんなら相合傘やっときます?」
「やるか、アホ!」