樹は、テーブルの上に頬杖を突きさわやかに微笑んで、私のほうを見て首をかしげる。

心の中で、この天然女たらしめと悪態つきつつ椅子の背もたれに思い切りよく背を預けた。
腕組みをしつつ樹を見る。




「なんすか明紀さん。」

ずっとこっちを見ているのが不思議に思ったのか樹は私に問いかけてきた。


私は、樹からゆっくりと目線をはずす。


「べつにぃ、テレビつけてもこの時間知ってる番組ないし、どっか行来たいけどこの雨だし暇だから樹の顔みてた。‥‥‥‥真正面だし。」


「そっか。」

樹はそっけなく答えて窓の外を見た。
そのまま顔を横に向けテーブルにその顔をつけた。



なおも外の雨を見る。