美咲は瀧沢組の組長の元へ連れてかれた。



「…お前が香月の娘か」

「…パパを知ってるの…?」

「あぁ。お前の親父とは付き合い長ぇからな」



すると、瀧沢は立ち上がると美咲に近づいた。
美咲は怖かったが、動けなかった。
身体が震えて、力が入らなかった。



「怖がるこたぁねぇよ。香月には色々と世話になったからな」



そう言って、瀧沢は美咲の頭を撫でた。
美咲は少し安心した。



「俺は子供の扱いに慣れてなくてな。まぁ、1人お前に付かせるから自由に遊んでろ」



瀧沢が指示を出すと、1人の若い男が近づいて来た。



「美咲さん、今日からよろしくお願いします!」



その男は美咲を守る仕事だった。



極道の人生は、そう簡単ではない……