××のために






「…いい加減にしろってんだよ!このガキどもが!!」

「…うっ」

「…うぐっ」



ヤクザは子供相手に力強く引き離し、投げ飛ばしたのだ。



「竜ちゃん!蓮ちゃん!」

「…み、さき…」

「…弱くて…ごめん…」

「行くぞ!」

「竜ちゃん…!蓮ちゃん…!」



2人は倒れ込んだまま、ただ美咲が連れて行かれるのを見ているしかなかった。
美咲は泣きながら何度も2人の名前を呼んだ。
2人は思った。
なんて自分は情けないんだろう、と。



それから、2人は美咲を迎えに行けるように誰よりも強くなろうと思った。
2人は、みんなの知らない所で身体を鍛えていた。



そして、大きく成長して格闘技を身につけるようになった。

美咲をずっと守っていられるように。
二度とあんなことが起こらないように、2人はある決意をしていた。

美咲を守るには一つしか方法がなかった。

…自分たちが強くなること。
…最強になること。

2人の思いは誰にも負けなかった。