××のために






「…まぁ、そういうことだからな。お前を連れて帰るぞ」

「…イヤっ!」



ヤクザが美咲の腕を掴もうとしたが、拒絶した。
こんな知らない怖い男の所なんか行きたくない。
ひまわり園でみんなと、
竜聖と蓮人と一緒に暮らしていたい。
美咲はそう強く思っていた。



しかし、そんな美咲の願いは叶わなかった。



「てめぇ、いい度胸してんなぁ。…いいから来いって言ってんだよ!ゴラァ!!」

「イヤぁ!やめて!!」



ヤクザは力尽くで美咲を引っ張った。
そして、美咲を連れ去ろうとした。



「…ん?お前ら、しつけぇぞ!」



竜聖と蓮人がヤクザの足にしがみついていた。



「お前なんかに美咲は渡さない!」

「美咲を連れて行くなんて僕が許さない!」

「竜ちゃん、蓮ちゃん…!」



竜聖と蓮人は必死で足にしがみついた。
ヤクザの男にいくら振り回されても、決して諦めなかった。