××のために






「んだ、てめぇ!」

「あれ、俺のことご存じない?そりゃ参ったな」



竜聖は瀧沢に近づく。
しかし、瀧沢の手下がそれを妨げる。



「頭に近づくんじゃねぇ!」



手下は殴りかかる。しかし、竜聖はサラッと交わし一発殴る。
次々に倒していき、瀧沢の元にたどり着いた。



「お、お前…」

「櫻田組の若頭、五十嵐 竜聖だ」

「櫻田…!?お前、分かっててここに来てんのか?」

「あぁ。ちょっと用があってな」

「…竜…ちゃん?」



美咲は力を振り絞って竜聖の名前を呼ぶ。



「…美咲!」

「知ってんのか?」

「お前、忘れたなんて言わせねぇよ?ひまわり園で会ってんだろーが」

「…まさか、あの時のガキ!?」



瀧沢は驚いたように竜聖を見る。



「竜聖!用意できたよ!」

「おう、ちょうど良いところに来たな」

「蓮…ちゃん?」

「美咲…!」

「くそ、逃げるぞ」

「いやっ!」



瀧沢は危険を察知したのか、美咲の腕を掴んで逃げ出そうとした。



「汚ねぇ手で触んじゃねーよ!」



しかし、竜聖が瀧沢の胸倉を掴み殴り倒す。
そこに蓮人が駆けつけ、美咲を抱きかかえる。



「先、行ってろ」

「分かった」



蓮人は傷ついた美咲をお姫様抱っこで軽く持ち上げる。
そして、裏で待っている竜聖の手下の元へ走った。