美咲はいつも竜聖と蓮人の味方になってくれた。
竜聖が万引きをしてしまった時も…
「…竜ちゃん、それどうしたの?」
「…買って来た」
竜聖は慌てて盗んできたスナック菓子を隠す。
「…でも竜ちゃん、今月分のお小遣いはもう無いって言ってたよね?」
「…うっせ!」
竜聖は返す言葉が見つからず、逆ギレ。
でも美咲はそんな竜聖を真剣な眼差しで見た。
「先生には秘密にしておいてあげる。でも、一緒に謝りに行こ?」
「ヤダよ!なんでそんなこと…!」
「竜ちゃんは正しく生きて欲しい。だから、お願い」
美咲は竜聖の手を握った。
竜聖はそんな美咲にドキッとした。
「…分かったよ」
「ありがとう」
竜聖は顔を背けた。
この時からだろうか。
竜聖が美咲のことを意識し始めたのは……

