××のために






そして、瀧沢の計画は成功した。
界は美咲の美貌に心惹かれ、婚約へと話が進んでいた。

でも、美咲はそれだけは嫌だった。
結婚は好きな人とする。
それは、子供の頃から決めていたことだった。



「…おじさん、お話があります」

「んだよ、改まっちまってよ」

「…あの人との結婚はお断りします」

「…んだと!?」



美咲は正直に自分の思いを告げた。
今までずっと、我慢してきた。
だから、これだけは聞いて欲しいと思った。

しかし、このことが裏目に出てしまった。