××のために






美咲は26才になった。
そして、竜聖も蓮人も。

美咲は子供の時よりももっと美人になっていた。
美咲の姿に心奪われるヤクザたちもいた。

それが、美咲に最悪な事態を引き起こす……



瀧沢は美咲を呼んだ。
…ある計画に美咲を利用しようとしていた。



「美咲、大事な話がある」

「なに?」

「お前ももう、26だ。そろそろ働いてもらわねぇと困るんだわ」

「うん…」

「ガキの頃から育ててきたのは俺だ。もちろん、恩返ししてくれるよな?」

「うん。おじさんには感謝してるよ」

「そうか。…んじゃ、今から見合いだ」

「…え?」

「山城組の息子と見合いして来い。んで、そいつを落とせ」

「…どうして?」

「お前だって知ってんだろ。山城組は極道の中でも頂点に立つ奴だ。そいつと手結べばこっちも上手くいくんだよ」

「でも…」

「いいな?チャンスは1回だからな!」

「…わかった」



こうして、美咲は無理矢理お見合いさせられた。
でも、仕方がないと思っていた。
自分はヤクザの人間だ。
こういう運命なんだと自分に言い聞かせた。