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「失礼します、朝野先生見えますか…？」




意を決して生徒指導室を訪ねたのは、昼休みに入ってからだった。

嫌なことは早めにと思い行こうとしたが、ヘタレな私は足取りが重く断念した。

しかし、先程彩子に脅しとも取れる言葉をかけられ今に至る。




「おら、聞いてんのかっ！！！！笹本っ！！！！！」




突如と響き渡る生徒指導の鬼教師猪川先生の怒鳴り声に心臓が止まりそうになった。ますますチキる…。


一体誰が、猪川先生の逆鱗に触れたのだろう…。




「あ！柳瀬さーん！ここー！」



アサちゃんが奥のデスクから顔を覗かせた。さすが20代。手作り弁当を広げている。



「えーっと、スカートだったね。はい、気をつけしてー」



アサちゃんはスカートをなぞって長さを確認する。



「っよし！オッケーでーす！次は気をつけてね」



アサちゃんはニコっと笑い、名簿に横線を引いた。



「ね、ねぇ、アサちゃん」


「んー？どーしたの？」


「あの、怒られてる人って？」



「……あー、彼はね……。」



アサちゃんは苦虫を潰したような顔をした。





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