「沙智、弱音吐かなかった…」


「あぁ。」




お母さんもそうだった。



死にたくない。 なんて、誰にも言ってなかった。


むしろ、励ましてくれた。

沙智もだ。



「さて、帰るわ」


「あ、うん!ありがとう!」



笹本くんは、優しく笑って私の頭を撫でた。



「よかった。沙智の大切な人がこんな奴で。」



「え…」





「また来る。」




そう言って、笹本くんは帰っていった。



沙智…

沙智のおかげで笹本くんのこと少しわかった。