「でも沙智は、そんな奴らを愛したんだ。」





笹本くんは何かを思い出すようにして、ふっと笑う。


「ある日な、見舞いに来たんだよ、アイツの友だちって奴が」


「え?」


「そいつら、いじめられる前まで沙智といた奴らなんだ。病室来た途端、泣き始めて、大変だった」


つまり、友だち達は沙智を見放したこと

病気になってしまった沙智に
青春というものを味合わせてあげなかったこと

友だちで居られなかったこと


それらを悔やんで悔やんで仕方なかったらしい。



『泣かないで。私、みんなのこと大好きだから、来てくれて嬉しい。ありがとう。』



そういって、沙智も泣いたらしい。






「そいつら、強くなってた。イジメっていうのに立ち向かって、今ではイジメがないクラスまでにしたんだって」



『それを、沙智がいる時にできなくて



ほんとにごめん。』







今、後悔しても進まない。

私も
沙智の友だちも







笹本くんも…