いつも、さっちゃんの考える事は深かった。
『ひー、ホントは私達は動いてないかもよ?私達の速度に合わせて地球が回転してるのかも?』
得意げな笑みを浮かべて、説く。
思い出して笑ってしまう。
「なぁ、これ…」
笹本くんの手には、笹本くん宛と私を宛の手紙があった。
息を呑んだ。
怖い。
知りたくないことを知りそうで。
「俺から、見る。」
笹本くんが手紙を開いた。
読み始めると思ったら、あっけに取られた顔をした。
「さ、笹本くん?」
「…あのヤロー…」
そう言うと、笹本くんが手紙を見せてくれた。
『たいちゃん!
エロ本の隠し場所バレバレ。読み過ぎ注意!』
「あはは!」
「やられた…。あいつらしーけど。」
確かに、さっちゃんだ。
なら、私も…
『ひーへ
笹本大雅を頼んだ。
』
え…。
「ん?どーした?」
「あ、いや。」
咄嗟に隠した。
冷や汗が出る。
なんで?
分かってたの?
私と笹本くんが出会うって。
『全てに応えがあったらつまらないじゃん?』
なんで?って口癖のように言っていた私の殺し文句。
ふと、頭をよぎった。
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