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やばい!やばい!やばい!

聞いてない!!!



私は今、とても焦っている。



「日向、悪足掻きはやめて大人しく諦めなよ」


「やだよ!なんで教えてくれなかったの!服装検査あるって!」


「抜き打ちだから仕方ないじゃない。しかも、日向は"なし"の方に賭けたでしょ?」



ため息混じりに、桃木 彩子が言う。しかし、そんな声なんか耳に入らない。

私はギリギリまでスカートを下に降ろす。骨盤ギリギリまで下げることに必死だ。



「わかった!あやこ!靴下を…ほら!ここまで上げれば、目の錯覚でどうにかなる!」


「おお。まあ、誤魔化せればいいけどね。」



ドヤ顔で仁王立ち。コソコソしてたら逆に捕まりそうだしね!




「うーん。柳瀬さん…。ちょっとスカート短いわね。……スカートっと。」



服装検査の担当教師の、アサちゃんが言う。名簿の私の欄には、"ス"と文字が入れられる。



「明日中に、ちゃんとした長さのスカートをはいて生徒指導室においでね」


ニコッと笑うアサちゃん。かわいいなぁくそぅ。

はーい と、返事をしておいた。



「…服装検査って何気響くからなぁ…」


「内申?」


「…そー。」


「…どんまい」




彩子にポンと肩を叩かれた。

慰めにもならない…。