思い出したくない。


「ひなた!…と、あら沙智ちゃん」



なんで、お母さん、その子に笑うの?



「あなた達ほんとに…」






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「やめてっ!!!!!」




とめどなく出る涙。


走馬灯の様に、お母さんとさっちゃんの笑った顔が映る。



苦しい。


まるで、次は私と言わんばかりに、鮮明に映る。





お母さんが死んで、度々さっちゃんが夢に出てくる。




どうして?


さっちゃん






どうして、私のお母さんを






連れていったの?





ブーブー…ブーブー…



「っ!!」




ケータイの着信音にびっくりする。



「…はい」






『ひな?』





「…賢にぃ」