《県立碧杉学園小等部》



エメラルド色をした布地の表紙。ゴシック体で金字で刻まれている小学校の名前。

私の記憶と共に棚の奥に押し込んでおいた。




卒業依頼、表紙を開いたことはない。
少しカビ臭いなぁ…。


開く時、紙と紙が離れる乾いた音がする。



6-5



そこには、私と、成瀬沙智の満面の笑顔でピースをしている写真が挟んであった。



「さ、笹本くん…」





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「あら?ひなたー?」


「おかーさん!!こっち!!」




小学校6年生。


私と成瀬沙智…



そう、『さっちゃん』